
WEBに限らずライティングという仕事をしている方であれば、正しい日本語を使うことは最低限のスキルとして求められることです。もちろん、雑誌や新聞などで著名人が書いているコラムなど、「キャラ」が原因となっているものは一部例外と言えるでしょう。
今回のコラムでは、WEBライターとして最低限間違ってはいけない重要ポイントを6項目に分けて説明していきます。すでに仕事をされているライターでも知らず知らずに間違った使い方をしていないか、ぜひセルフチェックしてみてください。
◆目次
*WEBライターに求められるのは文法だけはありません
WEBライティングに関して言えば、正しい日本語=文法的に間違っていない言葉の使い方、に重点を置くだけでは十分ではありません。それ以上に、ユーザーにとって分かりやすい文章の構成や、読みやすさの部分の比重が大きくなってきます。
一般的に使用されている日本語も、時代とともに新しい言葉が常用語として追加されたり、反対につぎつぎと死語となっていく表現もあります。WEBライターに限って言えば、ユーザーに年齢や性別を感じさせるような文章はクオリティーが低いものと判断されてしまいます。
常にWEB媒体をチェックするなどして、自身の情報をアップデートするように心がけましょう。
*意外に間違えやすい「です」の使い方
語尾として使われることの多い「です」、実は間違った使い方がされるケースが最も多い語尾の表現です。文章中に使われることが多いだけに、ここでの使い分けのルールはしっかり理解しておきましょう。
サンプルとして使っていい場合と、NGなケースを下記します。使い分けが難しい場合は、基本的には形容詞には続けて使用しない、と覚えておきましょう。しゃべり言葉としてはあいまいに使われるこの「です」ですが、間違って使うだけであなたの記事に対する評価は一気に落ちてしまいます。
♦絶対にNGな使い方例 「形容詞+です」
・多いです |
・高いです |
♦OKな使い方例 「名詞+です」
・つまりワンルームです |
・実際にお部屋を見て、違いを見分けるのは簡単です |
このように実際に並べてみると、使っていい「です」の区別はつきやすいでしょう。
■豆知識「ら」抜き言葉も注意!
これもしゃべる言葉では意外に日常的に使われたりしていますが、ライターとして文章書く場合は注意が必要です。
○食べられる |
×食べれる |
*「目線」は一部常用漢字、「視線」との使い分け
ここ数年で一般的な常用語として認められるようになった「目線」という言葉ですが、場合によっては間違った日本語になってしまいますので、十分な認識の上での使い分けが求められます。
もともとテレビなどの業界用語だった「目線」という言葉、最近では普通の言葉として使われています。正しい日本語では「視線」であるべきですが、「上から目線」というような表現の場合は、現在は常用語として使われています。
ライティングでもこのようなケースでの使用は構いませんが、例えば歩いている時に後ろから誰かに見られている気がする、その場合は「視線を感じる」が正しい表現です。ここまで極端な例であれば「目線を感じる」と文章内で使うライターはいないでしょうが、境界線にあるような文中で使用する場合は「視線」に統一しましょう。
*気を付けたい「視点のユレ」と「表記のユレ」
SEOライティングの最近の傾向では、サイトにおけるトップページの比重が大きくなってきています。時にはトップだけで1万文字のボリュームが必要になる場合もあります。ここまで来るとほとんどLP(ランディングページ)に近いイメージのものです。
特にコンテンツマーケティングなど商品説明が必要なページでは、今後このようなトップページの需要は増えてくるでしょう。ここで気をつけたいのが「ユレ」とよばれるものです。
♦視点のユレ
文章が長くなればなるほど、注意したいのがこの「視点」のユレです。全体的な記事は第三者的な視点の「です、ます」で書かれていて、突然「思います」などのような語意が混在してしまうケースを「視点のユレ」といいます。「思います」の主語は「私」=主観の表現になってしまい、これが混じってしまった文章は、読み手の目が止まる原因となってしまいます。
♦表記のユレ
一つの記事やサイトの中で「ひらがな表記」と「漢字表記」が入り交じったものを「表記のユレ」とよびます。例えば途中まで「私」という漢字で表現されているところにひらがなで「わたし」が入ったような文章です。
記事を書き終えた後に自己校正する際には、必ずチェックしたい項目です。
■ユレをチェックする豆知識
ワードで文章を書いているのであれば「Ctrl+F」で文中の言葉をチェックできます。ここでそれぞれ「私」と「わたし」を入れて確認すれば、簡単に修正することが可能です。
*「のです」「なのです」などの強調語は気を付けて使いたい
特に女性ライターの場合、語尾にこの言葉を使うケースが多いようです。実はこの「のです、なのです」は非常に強い「強調語」ですので、基本的に弊社のライターには使わないように指導しています。
決して使ってはいけない語尾ではありませんが、強調と同時に読み手であるユーザーにとってみれば「上から」語りかけられているイメージを受ける言葉です。そんな意味からも弊社でのライター指導ではNGな語尾としています。
*初心者は注意、感嘆符「!」の使いすぎは読み手の混乱を生む

特に記事の最初の部分の「リード部分」で、読み手の興味を引きたいという意図で無意識に使われることの多いのがこのような感嘆符や、「?」などのユーザーに対する語りかけです。文章を書く側のライターにすれば、それほど内容のない文章であっても「何となく」しっかりと語っているように見えてしまう魔法の語尾です。
もしあなたが初心者のWEBライターであれば、最初はできる限り意識して使わないようにしてみましょう。意味のない場所で使う癖をつけてしまうとなかなか修正は難しくなってしまいます。普段使わないようにしておけば、「ここは強調したい」という部分にだけ使うことでより効果的でアクセントなる文章に仕上げることができるようになります。
*SEOライティングでは許されないミス、同じ発音の用語「不用品」と「不要品」
日本語の一番難しいところはこのように「ほとんど同じような意味」を持った発音も言葉が多数存在するところでしょう。SEOライティングでは、「キーワード」は狙って使用されるべきものです。例えば「不用品」という漢字での上位表示を狙っているのであれば、もしここでライターが間違ってすべての文章に「不要品」という漢字を使えば記事そのものが、それこそ「不用品の文章」になってしまいます。
これ以外にも「構成と校正」や、発音だけが同じで意味は全く違うような言葉の変換ミスも気をつけたいところです。
このようにWEBライティングは実は細かいルールの上に成り立っているものです。少なくとも今回紹介した6項目はこれからライターを目指すのであれば、しっかりと理解して使い分けるようにしましょう。また既に現在フリーランスのライターとして活躍されている方も、今一度自分のライティングスタイルをチェックしてみてください。